2023年10月、ネオトレード証券は新たな取引ツール「NEOTRADER」をリリースしました。シンプルな設計で発注のしやすさを追求した新ツールのリリースには、どのような背景があったのでしょうか。今回は「NEOTRADER」の開発担当者に、リリースの裏側について聞いてみました。
- お客様の要望に応えることをコンセプトに
- 新ツール開発の大きな課題は『安定性』と『処理速度』
- 社長から「お客様のことを考えた開発を」と日々言われた中での実装
- 「NEOTRADER」はリアルタイムの取引に強み
お客様の要望に応えることをコンセプトに
―新ツールの開発を決定した背景について教えてください
旧ツールのリリースから5年以上が経過し、ユーザーの要望に応え続けることが技術的に難しくなってきたことが背景にあります。プログラミング言語の拡張性が限界に達し、旧ツールではお客様が求める機能を実現するのが困難になっていました。
―「NEOTRADER」のコンセプトやビジョンについて教えてください
NEOTRADERのコンセプトは「お客様が本当に求めていることは何か」を、深く考えることにあります。PC版では「板発注」をメインに強化し、アプリ版では起動から発注までの時間短縮に注力しました。
PC版の発注板は、値段下限から上限までのすべての気配情報や引け注文の情報、グラフ化された気配情報等を表示できるほか、項目の編集機能もありカスタマイズ性も高いデイトレード向けの「発注板ALL」を中心に、機能を絞りこんだコンパクトサイズの「発注板」、気配と発注のみを表示して複数枚の並列表示も容易な「ミニ発注板」の3サイズをご用意しております。発注操作もマウス操作だけで完結できますので、売買タイミングを逃さないスピーディーな発注を行えるのが特徴です。
新ツール開発の大きな課題は『安定性』と『処理速度』
―旧ツールでは、ユーザーからどのような機能の要望がありましたか?
とくに多かったのは、安定した稼働や処理スピードの早さについてです。そのため「安定性」と「処理速度」は常に意識をして、新ツールの開発を進めました。
―ユーザーリクエストの中で、実現が難しかった点について教えてください
旧ツールで実装されていた機能の中には、プログラミング言語上、実現が難しいものもありました。そのため、旧ツールをご愛用いただいていたお客様にはご不便をおかけしてしまうことになり、開発の方向性には頭を悩ませましたね。また、機能を追加することで処理速度が劣化してしまうなど、相反する要素をいかにバランスよくおさめるかにも苦心しました。
社長から「お客様のことを考えた開発を」と日々言われた中での実装
―開発中、とくに印象に残っているエピソードはありますか?
日々、社長から「お客様のことを考えて開発するように」と繰り返し言われていたことが印象深いですね。「開発者目線で当社の意見を押し付けていないか」「本当にお客様の立場で考えているのか」と。常に自問自答しながらの毎日でした。
―技術的な面で難しかったこと、苦労したことを教えてください
重要課題としていた「安定性」と「処理速度」の部分が、開発段階での実証が難しかったことです。また、ツールの機能についてお客様の意見が分かれている場合、どの機能を優先すべきか判断するのに時間がかかりました。
また、開発者は繰り返しテストを実施する為、自然とツールの操作に慣れてしまうため、注意をしていても操作方法についての違和感が気付きづらくなってしまう点には苦労しました。リリース後、お客様からは貴重なフィードバックをいただきましたが、開発者が「こうしたら使いやすくなる」と考えて実装した機能が、実際にはお客様にとって使いづらいものとなっていたこともありました。お客様にご不便をおかけしてしまいましたが、どのようにご利用されているかを丁寧にヒアリングをさせていただきながら、改修を進めてまいりました。
―リリース後、ユーザーからの評価で特に嬉しかったことは?
リリース後、良い評価をいただくこともあれば、ご指摘いただくこともありましたが、とくに嬉しかったのは、対応の早さやお客様要望への実装についてお礼の言葉をいただいたことです。
弊社はカスタマーサポートが電話やメールでお客様からいただいたご意見やご要望、不具合などを日々社長へ報告する体制を取っています。その中で、即座に対応可能な機能や不具合は、会議を待たずとも改善作業に取りかかるようにしています。実際に、リリース後はお客様からのご指摘を基に隔月ペースで改修を行っており、すでに第5弾まで実施しております。次回改修についても鋭意進めておりますので、今後もご期待ください。
「NEOTRADER」はリアルタイムの取引に強み
―旧ツールと新ツールで大きく異なる点について教えてください
旧ツールの課題であったシステムの安定性や処理スピードが、大きく改善されています。そのため、お客様がより安心して、スピード感を持った取引ができるようになっています。
旧ツールでは「発注板ALL」をご利用いただく比率が高く、日中の相場を見ながら取引をされる方が多かった為、リアルタイムで株価分析ができる機能を強化をしております。
また、ネット証券黎明期からご利用いただいてる投資家の方からのご要望が多かった、複数銘柄の現在値と気配やチャート等を同一画面で分割して表示できる「マルチビューア機能」もご利用いただきやすい機能だと考えております。
―「NEOTRADER」の新機能の中で、特にユーザーに使って欲しい機能は何でしょうか?
リアルタイムの価格分析機能が強化されているので、「歩み値分析」や「同一気配約定分析」、「株価強度分析」などを使っていただきたいですね。その他、デイトレードをする方には是非お試しいただきたい機能として、ワンクリック発注のほかドテン注文(※2)も可能な「2WAY注文(※1)」を是非、お試しいただきたいです。
2way注文は、注文が約定しなかった場合に、注文を即時にキャンセルするIOCという執行条件が必須になっています。約定しなかったらキャンセルして発注をし直すといった行為が不要になるので、高頻度で取引をされるお客様は、板情報を表示しながら「2WAY注文」をご利用いただくことで、ストレスなく取引していただけると考えています。
(※1)2WAY注文は、表示されている最良気配(買い・売り)のボタンをクリックすることで、即時に発注することができる注文方法です。確認画面を省略すると、さらに素早い取引が実現可能となります。 |
(※2)ドテン(途転)注文 保有ポジションをすべて決済すると同時に、反対のポジションを持つ注文方法です。買いポジションをすべて決済すると同時に売りポジションを持つことを「ドテン売り」、売りポジションをすべて決済すると同時に買いポジションを持つことを「ドテン買い」と呼びます。 |
―他社ツールと比較して優れている点があれば教えてください
正直なところ、他社のツールも高性能・多機能なものも多く、際立って優れた機能を挙げるのは難しいですが、お客様の要望に応える姿勢やスピード感に自信を持っています。
しばらく利用されていなかったお客様も、久しぶりにご利用いただけると使い勝手が大きく変わっていることを実感いただけるかもしれません。